◆組織の成功循環モデル

最近、「360度フィードバックを導入したい」というお問い合わせが以前より多くなってきたと感じています。

人材の確保が難しくなり、限られた人員で仕事を進め成果を出さなければならない状態の中、若手の早期離職や社員のメンタル不全といった問題も顕著になってきており、人事担当者様もこれまで以上に対応を迫られています。

このような状況の中、人事担当者様は「問題の原因となっているものは何なのか」「管理職はちゃんと部下マネジメントができているのか」「誰もが自由に意見を言い合える組織を作るためにどうすれば良いのか」といった思いを持ち、360度フィードバックを有効活用できないかと考えられるようです。

「360度フィードバックを導入したい」というお問い合わせに対して、実施目的を踏まえながら実施メリット、注意・工夫すべきことなどを説明すると、多くの企業・組織の人事担当者様が「やはり良いですね。導入してみたいです。」というような反応を示されます。

ただ、その反応の後で次のような発言もされることが少なからずあります。

「社長はじめ経営層に諮ると『360度フィードバックを実施すると収益が上がるのか?』と問われる。我々人事担当はぜひ実施してみたいが、社長・経営層がOKしてくれるかどうか…」

確かに経営層の皆様にとって最優先に考えるべきことは会社の収益です。

組織や人に関する施策がもちろん大事だとは分かっていても、収益の方に目が行ってしまうのはある程度仕方がないことと言わざるを得ません。

経営層が「また人事が新しい施策を提言してきたが、これまでにも従業員満足度調査や管理職研修をやっている。

それと何が違うのか。本当に実施するメリットがあるのか信用できない。」というように考えることも否定できません。

このような際に参考として紹介しているのが、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している「組織の成功循環モデル」です。

人と人の関係性を良くしていくことを大事にすると最終的には組織として良い成果を生み出し、それが更に関係性に良い影響を与えていく。

その一方で、結果出すことのみを求めて人に接すると、良い成果を生み出さないという考え方です。

良い流れ(グッドサイクル)をマネジメントに置き換えてみると次のようになります。

①部下を信用し、部下の意見や考えを尊重し一緒に考えるようにすると

②部下は新しい気づきがあり、仕事を面白いと感じるようになります。

③仕事が面白くなると、部下は自分で考え行動することに繋がります。

④部下が前向きに取り組むと良い結果を生むようになります。

この流れで結果が出たことに部下は喜びを感じ、上司への信頼度が向上します。信頼する上司が更に高い要求をしても、これまでに良い結果が出たため前向きに受け止めようとします。

一方で良くない流れ(バッドサイクル)もマネジメントに置き換えてみましょう。

①上司が部下に対して目的やメリットを伝えず、結果を出すことのみを求めます。

②部下は上司から一方的に指示されたと感じます。

③上司の指示に従って仕事に取り組みますが楽しく前向きにはなれません。

④言われたことはしっかりやりますが、それ以外のことまではやろうとしません。

そうなると最低限の結果しかうまれない可能性が高くなります。そしてこの流れが続くと上司と部下の関係は良くない状態となり、引き続き組織として結果(成果)も出ない状況となります。

仕事である以上「結果の質」を上げることが最も大事であることは間違いありません。

ただ、「結果の質」のみを部下に強く求めるとその時は最低限の結果を出そうとするかもしれませんが、中長期的に部下が自発的に「結果の質」を向上させていこうとする組織にはなりません。

「関係の質」、言い換えれば上司と部下の関係性を良いものにしていくことこそが、中長期的に見ると組織として「結果の質」を向上させていくことになります。

360度フィードバックを導入してもすぐに会社の収益が上がるようになるわけではありません。

大事なことは360度フィードバックの結果をどう使っていくかです。

結果を見ることで上司は部下の思いや考えを知ることができます。

そして部下に対してどんな言葉をかければ良いか、どんな時相談に乗れば良いか、どんな指示やアドバイスをすれば良いかを考え行動に移してみます。

それに対する部下の反応をみて、また考えて行動して繋げていくという繰り返しが大事です。

こう書くととてもたいへんなことのように感じる方がおられるかもしれませんが、ほんの些細な行動を部下は気づいてくれます。

小さな歩みを積み重ねていくことで風通しの良い強い組織形成に繋がり、それが組織としての利益を生むはずです。

このように360度フィードバックの結果を使って部下の思いや考えを知ると、関係性の質を高めてグッドサイクル構築に役立ちます。

つい近道をして結果を求めるより、中長期的な視野をもって上司と部下の関係性を高めていくことこそ、組織としての成果を良くしていく方法なのです。

最近、「360度フィードバックを導入したい」というお問い合わせが以前より多くなってきたと感じています。
人材の確保が難しくなり、限られた人員で仕事を進め成果を出さなければならない状態の中、若手の早期離職や社員のメンタル不全といった問題も顕著になってきており、人事担当者様もこれまで以上に対応を迫られています。
このような状況の中、人事担当者様は「問題の原因となっているものは何なのか」「管理職はちゃんと部下マネジメントができているのか」「誰もが自由に意見を言い合える組織を作るためにどうすれば良いのか」といった思いを持ち、360度フィードバックを有効活用できないかと考えられるようです。
「360度フィードバックを導入したい」というお問い合わせに対して、実施目的を踏まえながら実施メリット、注意・工夫すべきことなどを説明すると、多くの企業・組織の人事担当者様が「やはり良いですね。導入してみたいです。」というような反応を示されます。
ただ、その反応の後で次のような発言もされることが少なからずあります。
「社長はじめ経営層に諮ると『360度フィードバックを実施すると収益が上がるのか?』と問われる。我々人事担当はぜひ実施してみたいが、社長・経営層がOKしてくれるかどうか…」
確かに経営層の皆様にとって最優先に考えるべきことは会社の収益です。組織や人に関する施策がもちろん大事だとは分かっていても、収益の方に目が行ってしまうのはある程度仕方がないことと言わざるを得ません。
経営層が「また人事が新しい施策を提言してきたが、これまでにも従業員満足度調査や管理職研修をやっている。それと何が違うのか。本当に実施するメリットがあるのか信用できない。」というように考えることも否定できません。
このような際に参考として紹介しているのが、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している「組織の成功循環モデル」です。
人と人の関係性を良くしていくことを大事にすると最終的には組織として良い成果を生み出し、それが更に関係性に良い影響を与えていく。その一方で、結果出すことのみを求めて人に接すると、良い成果を生み出さないという考え方です。
良い流れ(グッドサイクル)をマネジメントに置き換えてみると次のようになります。
①部下を信用し、部下の意見や考えを尊重し一緒に考えるようにすると
②部下は新しい気づきがあり、仕事を面白いと感じるようになります。
③仕事が面白くなると、部下は自分で考え行動することに繋がります。
④部下が前向きに取り組むと良い結果を生むようになります。
この流れで結果が出たことに部下は喜びを感じ、上司への信頼度が向上します。信頼する上司が更に高い要求をしても、これまでに良い結果が出たため前向きに受け止めようとします。
一方で良くない流れ(バッドサイクル)もマネジメントに置き換えてみましょう。
①上司が部下に対して目的やメリットを伝えず、結果を出すことのみを求めます。
②部下は上司から一方的に指示されたと感じます。
③上司の指示に従って仕事に取り組みますが楽しく前向きにはなれません。
④言われたことはしっかりやりますが、それ以外のことまではやろうとしません。
そうなると最低限の結果しかうまれない可能性が高くなります。そしてこの流れが続くと上司と部下の関係は良くない状態となり、引き続き組織として結果(成果)も出ない状況となります。
仕事である以上「結果の質」を上げることが最も大事であることは間違いありません。
ただ、「結果の質」のみを部下に強く求めるとその時は最低限の結果を出そうとするかもしれませんが、中長期的に部下が自発的に「結果の質」を向上させていこうとする組織にはなりません。
「関係の質」、言い換えれば上司と部下の関係性を良いものにしていくことこそが、中長期的に見ると組織として「結果の質」を向上させていくことになります。
360度フィードバックを導入してもすぐに会社の収益が上がるようになるわけではありません。
大事なことは360度フィードバックの結果をどう使っていくかです。
結果を見ることで上司は部下の思いや考えを知ることができます。
そして部下に対してどんな言葉をかければ良いか、どんな時相談に乗れば良いか、どんな指示やアドバイスをすれば良いかを考え行動に移してみます。
それに対する部下の反応をみて、また考えて行動して繋げていくという繰り返しが大事です。
こう書くととてもたいへんなことのように感じる方がおられるかもしれませんが、ほんの些細な行動を部下は気づいてくれます。
小さな歩みを積み重ねていくことで風通しの良い強い組織形成に繋がり、それが組織としての利益を生むはずです。
このように360度フィードバックの結果を使って部下の思いや考えを知ると、関係性の質を高めてグッドサイクル構築に役立ちます。
つい近道をして結果を求めるより、中長期的な視野をもって上司と部下の関係性を高めていくことこそ、組織としての成果を良くしていく方法なのです。

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