皆さんは、「360度評価」に対して、どんなイメージをお持ちですか?

これは、私が十数年前に、以前の会社(人材アセスメントツールを提供している会社)で営業をしていた時の話です。

その会社が当時扱っていた商品は、大きく2つありました。

1つは 「適性検査」 であり、もう1つは 「360度評価」 です。

「適性検査」 といってもいろいろありますが、SPIに代表されるように、本人が特定の質問に対して回答することで本人が本来的に持っている基礎能力や性格特性を測定するツールのことです。

当時(十数年前)、複数の営業担当者の雑談の中で、次のようなことが話題になりました。

『適性検査』『360度評価』 は、どっちが営業しやすいか?」

皆さんは、どちらの意見が多く出たと思いますか?

圧倒的に、 「適性検査」 の方が営業しやすいという担当者の方が多かったのです。

その理由は、 「360度評価は厳しいから。」 というものでした。

もう少し具体的に言えば、「360度評価は、他者から評価されるので厳しい仕組みであり、営業窓口である人事部の方も抵抗感を持たれる方が多いので何となく提案しにくい…」といった理由です。

その一方で、「適性検査は、自分一人が回答用紙に向かって、所定時間内に回答するだけで結果が出るので、営業上、提案もしやすい…」という意見が大半でした。

「360度評価」の方が、「適性検査」よりも“厳しい”…本当にそうでしょうか?

「適性検査によって、『自分の特徴(本来的な能力と性格)』がわかったとしても、それを変えることはできない。

しかし360度評価の結果によってわかった『自分の特徴(職場での行動)』は、自分の努力で変えることができる。

その意味では、360度評価の方が、本人にとって優しいツールと言えるのではないのか。

適性検査で測定している内容は、幼少期における家庭環境などの外的要因や遺伝などによって形成されてしまった本来的な特徴であり、必ずしも本人に原因があるとは言えないものです。

そして何よりも、「今からそれを変えろ!」と言われても無理なことです。

しかし、360度評価で測定している内容は、自分が職場でとっている行動特徴であるため、本人にそのことを気づかせてあげれば、いくらでも行動改善や能力向上を行うことは可能です。

今から変えたくても変えられない “本来的な特徴を教えてくれる「適性検査」”

変えようと思えば変えることができる “今の職場行動を教えてくれる「360度評価」”

どちらが本人にとって厳しく、どちらが優しいツールと言えるのでしょうか…?

360度評価は、一見すると 厳しいと感じさせるツールかもしれませんが、本人のことを考えると「優しいツール」だと思うのです。

何だか怖い顔で厳しそうだけど、実は優しい心を持ち、心底子供のことを大事に考えている頑固親父みたいなツールだな…なんて思ったりするのです。

※ちなみに、「適性検査」も上手く活用すれば、物凄い効果を発揮するツールですよ!

特に「SPI」は、お世辞抜きで使えるツールだと思います。

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