このタイトルは、結構深いです。
もしかしたら、人材開発や育成に関わる方々全てが、少なくとも一度や二度は、このテーマに関して悩まれたことがあるのではないでしょうか?
このように書いている私も、お客様企業における研修や現場改革の際に、非常に悩むテーマです。
企業の人事部のみならず、学校の先生、塾や家庭教師の先生、そして我が子に対して教育を行う親においては、こんな悩みを必ずお持ちだと思います。
「いつまでたってもやる気が起きない従業員」
「人事部が頑張って企画・準備した研修に対して後ろ向きな参加者」
「現場改革活動なのに、自分は関係ないと言わんばかりの現場従業員」
本当に、困ってしまいますよね…。
上記の従業員に対する考え方や対応策は様々です。
例えば、この経済情勢においては、「やる気の無い人は辞めてもらって結構!」などと厳しい宣告を行うのもありだと思います。
が、出来ればそれは避けたいですね。
では、どうするのが良いのか…。
「絶対、これ!」といった結論めいたものは無いのですが、このテーマに直面すると、いつも意識していることがあります。
それは、「人は感じないと本気で動けない」ということです。
人材開発の教科書などには、「いきなり動かそうと思っても難しい。まずは、何故動かなければならないのかをしっかりと考えさせることが大事だ…。」みたいなことが書かれていますが、私には何だかピンとこないのです。
「考える」⇒「動く」
のではなく、
「感じる」⇒「考える」⇒「動く」
といったように、「考える」前に「感じる」ことがないと、人間って本気で動けないように思うのです。
例えば、人を動かす感情には、「ヤバイ」「悔しい」「羨ましい」「好きだ」「欲しい」などいろいろあると思います。
“考える”ってことの前に、自然と湧き上がってくる熱い感情です。
その実例としてわかりやすいのは、「異性にもてたいという感情」なのかもしれません。
この感情は、本気で人を動かします(笑)。
ここで大事なのは、それをどう仕掛けて、どう感じさせるかということです。
必ずしも、1つの正解があるわけではありません。
対象とする人や集団をやる気にさせるためは、
まずはどんなことを(何を)感じさせるのが良いのか?そして、それを如何に仕掛けて、実際にどのように感じさせるのか?そして、その感情をどうやって目指すべき方向に導き、実際に動かしていくのか?本気で取り組む人材開発って、奥が深く、難しいものです。
弊社では、研修プログラムを設計する際に、このことをかなり重視しています。
特に、「評価者研修」。
いかに評価者に本気で「評価」という大事な仕事に取り組んでもらうようにするのか…。
かなり優れものの研修となっていますよ(笑)!