「お客様のために、一生懸命頑張っています!」
「お客様のために、この提案を考えてきました!」
「お客様のために、こんなサービスをさせていただきました!」
「お客様のために、…」
何らおかしな表現ではありません。
もちろん、そこに悪気なんてあるわけがありません。
しかし、これらの言葉「お客様のために…」は、お客様から高い満足を得るためには不十分な考え方だと思うのです。
では、どんな表現であれば十分であると言えるのでしょうか?
それは、「お客様の立場で…」ということです。
「お客様のために…」と「お客様の立場で…」とは、何がどう違うのか?
そんなに変わらない言葉ではないのか?
そう思われる方もいらっしゃると思います。
私も以前はそうでした。
「お客様のために…」は、考えている視点は自分自身であり、お客様とはこういうものだと決めつけているような意味を感じます。
あくまで主語は、「自分」なのです。
一方、「お客様の立場で…」は、考えている視点や主語はお客様であり、自分がお客様だったらどんなことが嬉しいのかを考えることになります。
そこには、当事者意識としてのリアリティがあります。
15年程前、私が営業職として活動していた時、上記のようなことをある会社の人事部長さんから言われました。
「自社の商品の販売代理店になってはいけない。
お客様企業の購買代理店になって、初めて優秀な営業と言えるのだよ。」
それを言われた当時は、その意味がよくわからないまま営業していました。
実際に、その意味を理解できたのは数年後でした(苦笑)。
しかし、その意味がわかってくるとお客様に対するアプローチのレベルが格段に上がったように感じられました。
それは、“レベルが上がった”というよりも、“視野や概念が変わった”という感じに近いのかもしれません。
その数年後、セブン&アイ・ホールディングスの会長である鈴木敏文氏の書籍「本当のようなウソを見抜く(プレジデント社)」の中で、同じような内容を発見し、激しく共感してしまいました。
(ちなみにこの書籍。いろいろ感じるものが多いです。お勧めです。)
「お客様の立場に立って考えること」
高いCSを実現するための基本スタンスなのかもしれません。