2009年10月29日(木)の日経産業新聞の1面に、興味深いキーワードが載っていました。
「『新360度評価』で選別」 りそなホールディングスが…
何だ、この「新360度評価」って…?
正直、少しびっくりした私ですが、記事を拝読すると以下のようなことがわかりました。
りそなホールディングスが、サクセッションプラン(後継者選別・育成計画)において、対象者を様々な観点と手法によって資質のチェックを行うというものでした。
具体的には、
会長が「面談(経営課題への考え方や将来想定される事態への対処方針などを質問)」
社外取締役が「会長面談への同席」
人材コンサルティング会社が「ケーススタディーにおけるシミュレーションを活用した面談」
そして部下が「70項目について5段階評価」
を行うということです。
社外の目を徹底活用し、社内の人事権者の思い込みや情実を排除すること、そしてリーダーとしての育成が目的のようです。
素晴らしい取り組みであり、納得感高い評価手法だと感じました。
ただ難点としては、手間とコストが掛かりすぎるので、今回の様に、次期経営者選抜のように特定の対象者に対する評価以外に実施するには、現実的には難しいかもしれませんね。
しかしながら、様々な立場の方から、多くの観点によって対象者の実態を明らかにしていく手法は、まさに「360度フィードバック(360度評価)」。
ただ、「360度評価」に“新”が付加して「新360度評価」と表現していることについては、正直、どうなのか…。
ちょっと誤解や違和感があるのでは…そんな気もします(笑)。
今回の事例で感じたことは、
360度という様々な観点からの観察評価は、対象者の実態を明らかにすることができる。360度評価は、必ずしもサーベイ調査だけでなく、他の手法も組み合わせるとより効果が高まるだろう。いろいろな工夫が考えられるな…。特定少人数だけでなく、特定階層のような人数が多い場合は、やはりサーベイ手法による360度評価が有効だろう。良い意味で、いろいろ考えさせていただいた新聞記事でした。