時々、企業の方から質問や相談を受けるテーマのひとつに「キャリア」ということがあります。
「キャリア開発」、「キャリアデザイン」、「自らのキャリアマネジメント」…。
質問や相談は、
「現在、社内でキャリア体系の見直しなどを行っている。その際、単に体系をまとめるだけでなく、しっかりと運用できる仕組みが欲しい。」
「社員に自分のキャリアをしっかりと考えさせ、自ら努力させるような仕組みはないか…」
このような内容が多いのです。
私は、キャリアのスペシャリストではありませんので、この場で、キャリアに関する理論的なことや専門的なことを書くつもりはありません。
ただ、私は、以下のことを大事に考えていただきたいと思っています。
キャリアは、自分の人生。
質的には本人の自己責任のもと、本人に任せるべきもの。
とは言え、社内でのキャリア開発を求めるのであれば、会社として適切な支援を行うことを忘れてはならない。
このことは、社員を動機づけ、そして成長へ導いていく。
キャリアの基本的な考え方は、「自分の将来像の設定」と「現在の自分の状態の認識」、そして「そのギャップを埋めるために何を行うのかを考えること」と言えるのだと思います。
ここで考えてみましょう。
「自分の将来像の設定」は、自分なりに夢を描くこともあり、または会社から幾つかの選択肢を提示されることもあるでしょう。
前者は、自分の意志でまずは自由に決めることが大事だと思いますし、後者は、キャリア体系・コースであったり、特定なポジションであったりするでしょう。
しかし、ここで大事なことは、「現在の自分の状態の認識」です。
人は、思っている以上に、自分のことを正しく認識できないことが多いものです。
自分では出来ているつもりが、実際には出来ていない。
キャリア開発が必要な人こそ、自分を冷静に客観視することが十分に出来ていない傾向があるのではないか…そう思うことがあります。
「現在の自分の状態の認識」が曖昧であったり、勘違いしていたりすると、将来像とのギャップも間違ったものになり、そのために行うべきことも間違ったものになってしまいかねません。
効率が悪い…で済めばよいのかもしれませんが、間違ったことを行うことで、キャリア形成に頓挫してしまうことも生じるかもしれません。
そのため、これまでお手伝いしてきた企業においては、「現在の自分の状態の認識」のために、360度評価を提案し、実際に数社において活用していただいています。
360度評価によって、客観的な自己認識の支援を行うのです。
ただし、「キャリア形成支援」を目的で実施するためには、「広報」「実施の仕方」「フィードバックの仕方」などにおいて、工夫することが大事になってきます。
使い方を間違えると、後ろ向きなアセスメントと勘違いされてしまうかもしれません。
キャリアを考える本人の立場になって、どんな工夫を行えば良いのか…。
前向きな気持ちにさせることが第一ですし、会社で設計されているキャリア体系との連動をどう考えていくことも必要となってくるでしょう。
360度評価を有効活用して、社員のキャリア開発を支援。
キャリア体系をつくるだけが人事部の仕事ではありません。
大事なことは、それを実行に社員に有効活用されるように支援すること。
ますます厳しい経済環境ですが、人事は社員のことを大事に想う存在であって欲しいです。
※上記の工夫などについてご興味ある方は、お問合せください。