2010年3月31日の日経産業新聞に、ソフト開発のワークスアプリケーションズの記事が大きく掲載されています。
「とがった人材の採用」
そのために同社は、東京工業大学の最寄り駅、学校近くの定食屋などに人材募集のポスターを掲載しているとのことのようです。
これだけなら、特筆すべきことではないのですが、何とこのポスター。
その内容は、ソフトウエアをプログラミングする際の「ソースコード」で書かれているのです。
普通の人が見ると、まさに暗号。何が何だか全く分かりません(苦笑)。
その分野で、優秀な学生にしかわからない“謎の広告”。
電車や注文した定食の待ち時間に目を留めて、面白そうにじーっと読み込む学生達。
これを解読できる学生だけに的を絞る。
「とがった人材を採用するための、とがった採用広告」
面白いことを行うな…と感心してしまいました。
このワークスアプリケーションズという会社は、約1ヶ月前にも注目が集まりました。
日経ビジネス(2010.3.1号)に発表された「働きがいのある日本企業」において、2010年度の第1位に選ばれたのです。
私がこの会社のことを注目したのは、今から3〜4年間です。
優秀な人材を採用し、活かしていくために独特な仕組みを取り入れている会社であり、何とも言えないワクワク感を感じたことを覚えています。
私が学生だったら、チャレンジしてみたかった会社の1つです。
そして何より私がこの会社に注目した理由は…。
そうなのです。「360度フィードバック(360度評価)の活用」です。
上記の日経ビジネスの記事から一部を引用させていただくと、
− ワークスが重視しているのは結果よりもプロセス。
− 結果だけを意識すると挑戦意欲が失われる、と考えている。
− その評価手法は相互多面評価を取る。
− 自分を評価する同僚を指名し、自分の行動を評価してもらう。
− この“同僚評価”を基に、各人の年俸が決まっていく。
− 評価の軸は「Works Way」という経営理念を実現するための行動指針。
360度評価結果の年俸反映といった大胆な活用方法もさることながら、企業理念の浸透(行動定着化)といった点に注目したいです。
これは、ジャック・ウエルチ氏(元GE)や日産自動車の大改革を行ったゴーン氏が日産への着任間も無い頃に、管理職に実践して欲しい行動を意識させ実践させるために行った活用方法でもあります。
360度評価は、様々な場面で活用できるコミュニケーションツールですが、経営から社員へのメッセージ伝達を行うツールとも言えます。
360度評価が持っている魅力を最大限に活かしているワークスアプリケーションズ。
さすが、「働きがいのある日本企業」の第1位です。