「360度フィードバック(360度評価)の実施の成功・失敗を決めるのは、何ですか?」
このような質問をされたら、間違いなく次のように答えるでしょう。
「フィードバックがキーとなります。」
フィードバックの仕方によって、360度評価の実施効果は格段に変わります。
正しいフィードバックを行えば、9割以上の方は、その結果を前向きに受け止め、行動改善しようと考えてくれるはずです。
世の中で、360度評価に対して後ろ向きな批判をされる方がいらっしゃいますが、多分、良いフィードバックを受けたことが無いのだと思います。
ところで、結果のフィードバックには幾つかのパターンがあります。
詳しくは、『無料ガイドブック(上巻)』にて解説
人事部が結果を本人に直送するパターン上司が面談などでフィードバックするパターン説明会や研修でフィードバックするパターン1は、正直、効果は少ないです。
2は、理想的なフィードバックなのですが、上司が一定のフィードバックスキルを持っていないと十分な効果は得られません。
初めて導入される場合にお勧めなのは、3(説明会や研修を通じて)と言えます。
実際、私も、フィードバック研修の講師を時々行っています。
各企業様のご都合やご要望に合わせて、最短2時間〜最長1日。
講師を行っていると、受講者の受け止め方をリアルに感じることができ、360度評価の素晴らしさを再認識できます。
この研修には、普通の研修(例えば管理職研修)とは一味違う大きな特徴があります。
それは、「受講者個々人の360度評価の結果が事前に手元にあること」つまり、「研修が始まる前に、各々の受講者の実際の職場における仕事ぶりや周囲との関わり状態をリアルに把握することができる」ということです。
この様な受講者の情報がわかっているのであれば、それに基づいて、受講者にとって効果的なアプローチを行うことができるのです。
例えば、360度評価の結果をフィードバックしたら、大きなショックを受けてしまうと思われる受講者も、概ね、事前に特定できます。
「自分は出来ると思っているが、周囲からは出来ていないと思われている人で、特にそのギャップが大きな人」などです。
その様な状態を放っておくと(本人任せの解釈にしておくと)、その大きなショックのために後ろ向きに考え、自信をなくしてしまうことも考えられます。
これは、360度評価を実施において、とても不本意なことです。
360度評価は、本人を前向きな気持ちにさせ、良い方向に行動改善を促すためのものです。
そんな時、私は、独特の行動を取ることが多いです。
フィードバックされた報告書をじっと見て、ショックを受けているであろう本人のところに行って、ある「魔法の言葉」を掛けるのです。
その一言で、随分と受け止め方が変ってきます。
実際に、多くの人が、その一言で、“ホッ”と安心し、そして前向きにその結果を分析してくれるようになっています。
受講者が、「360度評価を受けて良かった!」と前向きに感じてくれるような効果的なフィードバック。
360度評価の一番大事な部分です。
ますますこの部分のノウハウを蓄積し、被評価者本人が前向きに行動できるような支援をし続けていくことを使命に進んでいきたいと思う日々なのでした。