経営トップや人事部長からのご要望によって、「管理職の意識改革に関する相談」を受けることがあります。
“管理職の意識改革”は結構ありがちですが、深いテーマです。
これを実現させるためには、様々な方法があります。
教育(ワークショップ型研修、アクションラーニングなど)や人事制度などの仕組みの改訂、組織体制の変更、コミュニケーション施策などなど。
もちろん、経営トップの関与も重要となってくることは言うまでもありません。
上記の方法と組み合わせて「360度サーベイ」を活用すると効果的です。
しかしながら、360度サーベイの話が出ると、それを提供する会社としては、ついつい以下のように反応してしまいがちです。
「360度サーベイの結果を本人にフィードバックして意識改革させましょう!」
王道とも言える、スタンダードな回答なのかもしれません(苦笑)。
確かに、360度サーベイの結果をフィードバックすることで、周囲の評価と本人評価とのギャップを明らかにし、本人に刺激を与えることはできます。
しかし、本当にそれだけでいいのでしょうか…?
ここで立ち止まって考えてみたいと思います。
この問いかけには、しっかりと考えるべき幾つかのポイントがあります。
「サーベイ結果をフィードバックするだけで、本当に意識改革できるのか?」といったこともその1つでしょう。
しかし、先立って考えるべきことがあります。
「そもそも、意識改革ってどういうことなのか?」
「現在はどんな意識状態であり、それをどんな意識状態に変えたいの?」
「どうなれば意識が改革したことになるの?」
そして、何よりも一番大事なことは、
「何のために意識改革をしたいの?」
「管理職を意識改革することで、何を実現したいの?」
ということです。
とても大事なことなのですが、これをどこかに置き忘れたまま進めていらっしゃるケースも多く見られます。
これを明確にしておかないと、「360度サーベイを実施したけど、良かったのかどうなのか、よくわからない…」なんてことになってしまいます。
上記のことを明らかにすると、施すべき工夫も明らかになってきます。
- どんな内容、表現のサーベイ項目を設定するのか?
- 回答者をどの様に選定し、どの様に回答依頼するのか?
- 実施に向けて、どの様な準備(広報など)を行うべきなのか
- サーベイ結果をどの様な方法で本人にフィードバックすれば良いのか?
- 効果を高めるために、その他にどんな工夫をすれば良いのか?
- 逆に、失敗しないようにするためには、どんな工夫が?
などなど
これらの工夫が上手く働けば、かなり高い可能性で“意識改革”につなげることができるでしょう。
この時、360度サーベイは、「単なるツール」から、「意識改革の有効手法」に生まれ変わります。
是非、上手く使いこなして、意識改革を実現して欲しいと願うばかりです。