東日本大震災、原発問題、経済不況…
非常に厳しく、不安な状況が続いています。
そんな中、誰もが認める圧倒的な成果を残した「なでしこジャパン」。
遂に、チーム全員で国民栄誉賞の授与となりましたね。
「最後まであきらめない」ということに、本当に感動しました。
多くの国民に勇気を与えてくれました。
ところで、ワールドカップ優勝以来、「なでしこジャパン」をテーマにしたビジネス記事やブログが、様々なところで書かれています。
その中で、私が特に印象に残った記事は以下のものです。
日経ビジネスONLINE 武田斉紀氏
「感動だけではもったいない、なでしこジャパンに学ぶ5つのこと」そこには仕事やビジネスを戦うためのヒントがある
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110721/221589/
武田氏は、なでしこジャパンから学ぶべきこととして、以下の5つをあげられています。
うまいだけでなく、精神力のある人材を集めたこと海外経験などで敵と自分を知れたこと徹底的に自分たちの強みを伸ばし、弱みを潰していったことメダル獲得、そして世界一を本気で目指したことリーダーが信じ、こだわり続けたことなるほど…。
さすがポイントを突いて上手く整理していらっしゃるな…と思いつつ、個人的にある部分に反応してしまいました。
それは、「2.自分を知れたこと」のフレーズです。
何故それに反応したのか?
このことは、同じサッカー選手である中村俊輔選手にも共通していることを思い出したのです。
私は、以前のコラムで同じサッカーの中村俊輔選手のことについて書かせていただきました。
中村選手は、自分の成長のために、周囲からのアドバイスを積極的に聞き入れていたようです。
周囲からのフィードバックを積極的に受けたり、自分のプレーをビデオで確認したりして、自分を客観視することで、新たな改善点を見つけ出し、そして高いレベルへと改善していくことを謙虚に実行されているようです。
また彼は、上記の著書「察知力」の中で、以下のようにコメントしています。
「自分のことを知らないと成長はできない。
足りないことを認知して、これを補うために工夫すること。」
ここで改めて考えてみましょう。
「成長」には何が必要なのでしょうか?
更に、少し異なった観点から質問しますね。
ほとんどの人が、自分自身を成長させたいと思っているはずです。
しかし何故、成長できる人とそうでない人が出てきてしまうのでしょうか?
この「成長」。
心地よい言葉であり、前向きな言葉です。
しかし、非常に漠然としており、抽象的な言葉でもあります。
ここに“大きな罠”があるのです。
必ずしも適切ではない例示かもしれませんが、「世界平和」も同じでしょうし、企業でよく使われている「お客様志向」といった言葉も同様です。
これらの言葉は、タイトルとして掲げるだけで、自己満足に陥ってしまいがちな心地よい言葉なのです。
それだけに、具体的に何を行えば良いのか明らかにしないまま、放置されてしまうのです。
成長のために、自分自身が、何を、どうすれば良いのかわかっていない人も多いのではないでしょうか?
現在の状態を正しく把握し、その上で、何をどうしていくのかを決める。
そもそも、今の状態がわからないのに、成長にひもづくであろう適切な行動なんて取れるはずがありません。
更に言えば、現在の自分の状態を客観的に把握することで、成長に向けての危機感も高まってくるでしょう。
「私は、もっと出来ていると思っていたが、まだまだ周囲には認められていないのか…」
「自分の強みだと思っていたことが、実は弱みとして周囲に影響を与えていた。このままではまずい…」
このような意識が、成長の原動力になることも多いでしょう。
皆さんの会社の社員の方々は、自分自身の現状を正しく把握されているでしょうか?
そして危機感を持って、成長のために具体的な一歩を踏み出すことができているでしょうか?
自分の現状を客観的に正しく把握し、成長のために何を行うべきなのかを明らかにすること。
これがしっかりと出来ていないままに、社員に成長を求めても、厳しいのではないでしょうか?
職場での社員個々人の行動発揮状態を明らかにし、リアルな自己理解をさせることができる「360度サーベイ」。
成長のための仕組みとして、改めてその存在に注目が集まっています。
多くの企業、多くの社員に、是非上手く活用していただきたいです。
(ちょっとした工夫の仕方など、気軽にお問合せください。)