「実施結果を自社で分析したのですが、その結果を見ていただけませんか?」

そんな問合わせを受けることがあります。

その会社にお伺いして分析結果を拝見すると、割と多くの会社が行われている分析の1つに、「部門別(職種別)比較」があります。

例えば、「営業部門」と「スタッフ部門」との比較。

メーカーの場合、上記部門以外に、「開発部門」、「研究部門」、「製造部門」との比較などを行われています。

部門ごとの数値を並べ、グラフで表現されたりしています。

中には、高い順番にランキングされている会社もありました。

そして、次のような質問も受けます。

「評価平均点が低い部門は、問題があるということですよね?今後どうすれば良いのでしょうか?」

「他社と比べて弊社の結果(評価平均点)は、高い方でしょうか?低い方でしょうか?」

ここで冷静に考えてみたいのです。

部門別の評価平均点の高低を比較することに、どれだけ意味があるのだろうか…?

他の会社の値と比べて意味があるのだろうか…?

これまで多くの会社において360度フィードバック(360度評価)の分析を行ってきました。

その分析経験から、以下のようなことが言えそうです。

1.部門による評価点に高低が出るのは当たり前

組織内のコミュニケーション量が多い営業部門などは、比較的高め、逆にコミュニケーション量が少ない研究部門などは、比較的低めになる傾向があります。

よって、部門間を点数で序列化することって、どうかなって思うのです。

2.上司評価結果は低めであり、逆に、部下・後輩の評価結果は、高めに出る傾向があります。

人は、評価する際に、自分の能力・行動レベルを基準として評価してしまうからでしょう。

3.他の会社と評価平均点を比較することは意味がありません

会社によって、360度評価を実施する背景、広報内容、実施手順、評価者の選定基準などが異なるため、単純な比較はできないのです。

更に、会社の風土なども影響しているので、解釈する際は要注意です。

4.比較すべきは、「特徴」であると考えます。

部門にしろ、会社全体にしろ、比較して、その課題を明らかにしたい場合は、「特徴」に注目すべきです。

といっても、注目すべきポイントには、コツがあるのですが…。

他にも書きたいことは沢山ありますが、ここではその一部を紹介させていただきました。

360度評価は、様々な観点で分析すると、新たな発見があります。

ただ気をつけるべきは、間違った観点で分析を行い、その結果を解釈してしまうことです。

本質とは異なる、とんでもない方向に組織を進めてしまう危険性がります。

しかしながら、360度評価の分析によって、今後の人材マネジメントにおける様々な示唆を得ることも多いのです。

結果を本人にフィードバックして個々人の育成に」、そして「全体結果を様々な観点で分析し、会社や組織の強化に」と、1粒で二度美味しい。

360度評価は、そんな意味でも嬉しい手法なのです。

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