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1)実施のメリット(実施効果) |
360度評価を導入されている企業に「導入の決め手となったことは?」「実施して何が一番良いと感じたのか?」をお聞きすると以下の3つを挙げられることが多くあります。
「見える化」といっても、2つの観点があります。 1つは「経営・人事部にとって:現場実態の見える化」、もう1つは「管理職本人にとって:自分自身の見える化」です。 「経営・人事部にとって:現場実態の見える化」 自社の人材の特徴を捉えようとしても定量的に測定することはなかなか難しいことです。 人事部に集まってくる情報は「上司が評価した人事評価結果」「成果・業績といった結果」が中心です。 360度評価によって個々の管理職の現場状況を定量的に把握できることで、その後の適切な施策も講じやすいと言えます。
管理職になると、他者から自分の仕事ぶりについてフィードバックされる機会が少なくなります。 しかしながら、管理職になったことで「部下マネジメント」というそれまでには経験しなかったことを遂行するため、それが上手くできているかどうか、自分で理解することは難しいというのが本当のところではないでしょうか? 360度評価は、対象者にとっても自分のマネジメント行動について確認することができる極めて有効な機会です。
② 感情を動かすことで行動変容につながりやすい 360度評価は、日頃一緒に働いている周囲(上司・同僚・部下)の複数人による回答結果をフィードバックします。 管理職は、日頃は他者から自分の行動を指摘されるようなことはなく、また自分なりのプライドをお持ちの方も多いため、360度評価の結果返却によって大きなインパクトを受けることも少なくありません。 ここで留意すべきことは、ここでのインパクトは必ずしも「ショック」というネガティブな感情だけではないということです。 360度評価では、賞賛や感謝、期待などポジティブな情報もフィードバックします。 このことを上手く活かすことで、対象者の前向きな感情を引き出してモチベーションを高め、自らの行動改善を生み出します。
③ 組織全体への波及 360度評価は実施プロセスにおいて、対象者に関係する多くの回答者を巻き込むことになります。 回答者にとっては、普段なかなか言えない対象者への「要望や期待」「感謝の気持ち」を伝える機会となり、この取り組みへの参加意識(コミットメント)が高まります。 また、360度評価実施後に、「回答してくれたことに対する感謝の気持ち」や「結果を踏まえた今後の取り組み」を対象者から回答者全員が集まるミーティングなどで伝えることで、組織全体の意識向上につながります。 360度評価は、対象者だけに影響を及ぼすだけでなく、「組織全体で取り組むコミュニケーション施策」としての側面を持っているのです。 |
2)実施のデメリット |
①人間関係の悪化の可能性 360度評価の結果を冷静に受け止めることができない方もいらっしゃいます。 「なんで私が部下(ごとき)に評価されなくてはならないのか?」 上記のような言葉を発することはなくても、心の中で怒りがふつふつと湧いてきて、部下に冷たくあたったり、低く評価したと推測した方と距離を置いたりする方が出てくる可能性があります。 とはいえ、これらは事前に適切な対応策を講じることで解消されることが多いでしょう。 実際にいくつかの会社では、360度評価の実施中は抵抗感や不信感を抱いていた方々も、個人報告書を返却する際の工夫によって、不信感が一転して前向な感情に変わり、真摯に結果を受け止めてくださったケースは多くあります。 ②手間・時間・コスト 360度評価は多くの回答者を関与させるため、回答のための準備作業、回答データの整理、報告書のフィードバックなどさまざまな作業が発生します。 ⇒ これら【実施手順】については、別ページをご参照ください。
特に、誰を回答者として設定するのかを決める回答者選定作業、つまり「対象者が誰で、その対象者に誰が回答するのかを紐付けする作業」には多くの工数がかかるでしょう。 この回答者選定を効率化でき、かつ対象者の納得感を高める方法もあります。 |